LEICA M10 モノクローム with HELIAR Classic 50mm / f1.5
中判レンズを買い漁り、最高の写りを追求して前回のレビューで言った通り、PENTAX 67、105/2.4で一つの到達点に立った管理人、で、これからどうしよっかなーと悩むふりをしてみたもののまあやっぱりライカですw
CMOSだもんRAWで撮ったらライカだろうがどれも同じという事実の前にCMOSになってからのライカはずっと無視してきたのですが、結論としては見た目、それにつきます。
いや見た目まじで大事ですから。
高級車、高級時計、高級カメラ、どれも性能は国産のものには敵いません。でもどの高級ブランドもユーザーに語りかけてきます、「うんとおしゃれして旅をしろ」
いいこと言う。
人生は短い。
というわけで一番かっこいいライカM型といえばぶっちぎりでM10モノクロームなわけです。
どこまでも漆黒のパーツ、いいですよね。最高。
M-Pもいいんですが、レンズ脱着ボタンのシルバー、あれはよくない。
そしてモノクローム機にすることでRAWで撮ったらどれも同じちゃうん?と国産カメラと比較してしまう歪んだ性根と弱い心を切り捨てます。
それにまあモノクロ写真っていいですよね、やっぱり。
時代を象徴するような巨匠の写真はモノクロが多い。
写真集、部屋に飾るならやっぱりモノクロが表紙のものの方がかっこいい。
モノクロで撮る理由はこれだけで十分です。
それからもうひとつ大きな理由。一度レビューもしているヘリアークラシックですが、中判レンズ以外では一番のお気に入りでここ最近はフルサイズではこればかり使っています。幻想的な開放はもちろん少し絞った時のビンテージカメラぽい写りに、こいつならライカにつけっぱなしでメインの中判レンズと被らない写真が撮れると自分への言い訳が完成しました。
ちなみに新宿の北村でファインダー覗いた瞬間、(うん、もう今更二重画像には戻れんな)と速攻でビゾフレックスを一緒に購入。
いよいよルックス以外ライカ使う意味はなくなるけれど、うしろは振り返りません。
やや鈍臭いデザインのEVFですが、EVFをつけることでライカ感が薄れ、家族から「またライカ買ったの?!」と未だに言われていません。
気づいてない…?
思わぬ恩恵。
さて、M9以来久々のライカ復帰です。
機能としてはこのブログで語るほどのことはありません。
いつものライカです。
ただ、これだけは本当に言わせてほしい。
機能を捨ててでも持つ喜びを売るならフィルムシミュレーションはもっと気合い入れてもいいんじゃないだろうか。
M10モノクロームでいじれるパラメーターはコントラストとシャープネス(強・中・弱)のみです。
強にしたところで、わりと普通の見え方。ファインダー覗いても全く気分が上がらない。
そこはライカの美学を押し付けるくらいの気持ちで攻めてきてほしい。
ファインダーで覗いて普通なら撮って出しも当然普通です。
大してアーティスティックにならない。
(おまえは初心者の撮って出しかよ?!)と若干苛立ってきます。
FUJI機程とは言わないけどもうちょっと頑張ってほしい。
Nikon機はボディだけだと普通ですがPCを使ってピクチャーコントロールユーティリティという機能を使うとファインダー覗いた瞬間絵になるくらいまで追い込めます。
撮って出しの比較です。
あと撮影直後のプレビューが想像以上に遅い。
なにも仕事してないのにFUJI機並に遅い。
あ、いけない。
性格悪いですね、僕。
このへんにしておきます。
さ、気を取り直してここからはヘリアークラシックについて。
僕の愛する巨匠たちの偉大なモノクロ写真はイマドキのレンズにあるようなクワっと解像した表現は皆無。個人的にモノクロ写真に最新の高解像レンズは合わないと思っていて、とにかくフィルムライクな描写、コントラストも低めで繊細なグラデーションが表現されたものが好みです。繊細と高解像は違う。
あと背景はザワついていてほしい。
なわけでヘリアークラシック。
最初のレビューでは開放しか使ってなかったのですが、今回は少し絞ったものをメインに写真を紹介します。
さすがに解放はやりすぎなのでちょっと絞ってみたら、あれ??いい…
普段全く絞らないのでまさかの発見でしたw
1段〜2段絞ることで屋外だとブワッと飛ぶハイライトが適度に抑えられてフィルム感をちょうどよく感じさせてくれます。しかも絞ってもボケ量はたっぷり。
中判レンズのような立体感はありませんがフィルムライクでアーティスティックな表現として最高のレンズじゃないかと思っています。
とにかく開放の幻想的な写りから、少し絞ってビンテージ感のある写り、そしてモノクロに必要なボケのザワザワ感。
いいですよね、巨匠っぽい。
1段絞って輪郭を締めつつこのボケ量、そして全くカリカリしない絶妙なアナログ感のある描写。
あ、当然写真はどれもRAW現像してます。
モノクロ写真の真髄はスキントーンにあると思っていてそこの表現には細心の注意を払ってほしい。そして粒状感はモノクロの息吹であり命。必ず味付け。(カラー機よりノイズが少ない♪)などと喜んでる場合じゃない。
それからフェードもほしい。何でもかんでもフェードを入れるのもどうかと思いますが、モノクロだけに写真集の印刷チックなフェード効果はあった方が雰囲気でます。
パラメーターをいじり倒して偉大な写真集の表現を追求すべし。
例えば白人の肌の色ってそのままだと白く写ります、でも巨匠の表現なら肌のトーングッと落として鉛のようなトーンになってたりします、ありのまま、自然な姿ではない美を探求する。
コントラスト高めの撮って出しとかほんとダメだぞ。
巨匠たちの作品をよく見てください、意外とコントラストは弱い。
いや、コントラスト高いのはいいんですよ、でも特にハイライトの表現には細心の注意を払うべき。
と言いつつ、巷で噂のM10センサー、ハイライトが飛んでしまう症状はこのM10モノクロームでもあります…
もともと2段近くアンダーにして撮ってるのにハイライトの粘りがない。EVFだと時々見づらいこともありますが、基本グッとアンダーめにしておいた方がいいです。
例えば上の2枚の写真、肌のハイライトは飛んじゃって情報がありません。
ブチ切れそうですがライカなので文句を言ったりしたら育ちを疑われます。
飛んでしまったハイライト、そのままだと漂白剤をこぼしたような白い点になってしまうのでハイライトのパラメーターを下げて情報が残っているところまで馴染ませます。
しっかりと現像でカバー。
あ、そうそう、年末京都行ってきました。
息子はまたかよという顔をしていましたが、毎年恒例の行事を作るってなんかいいと思いませんか。
大人になった時に「毎年行ってた京都でさ…」って思い出話ができるのっていいですよね。
まあ年末の当日でも宿が空いてるのは京都くらいなので京都しかないんですが。
少し男らしい顔になってきた息子ですが、まだまだ子ども。
すぐ座り込みます。
こういう写真、今時のレンズではどうしたって撮れません。
どんなに高級で高評価のレンズだろうが自分のイメージする撮りたい写真に近づかないとき、それはレンズが違うということが殆ど。
トーンカーブをいじり倒して近づかなかったらレンズを探す。大体これだけです。
いいですよね、古本屋の美術書のような描写。
1段絞っても石と背景にボケがあって奥行きも出ています。
カラーだとCONTAX T2で撮ったようなビンテージ感が出ます。
このボケの暴れっぷり。
モノクロに合うと思いませんか?
高額なライカ純正レンズよりもヘリアークラシックのほうがライカらしい。
屋内なら開放でさらに雰囲気が出る。
ヘリアークラシック、1本で多彩な表現ができて本当に楽しいレンズ。
世界の巨匠たち、仕事は大判や中判、サブやプライベートにライカです。
ライカはサブに使ってこそかっこいい。
一家に一台ライカあるといいですよ。
手元にあるだけで人が撮ったライカの写真を見て悶々とした気持ちだったのが落ち着きます。
あとやたらマップカメラヤフオクのページを開かなくなります。
偉そうに色々と書いてきましたが、モノクローム機を使うから普通のデジカメよりいいモノクロ写真が撮れるわけでもないです。ライカモノクローム機の高解像やノイズの少なさは強みですが、ハイライトが飛んでしまう弱みでむしろカメラとして弱点の方が大きい。
それでもまあ購入に至ったわけは、こうでもしないとモノクロ写真をちゃんと撮らないからです。
モノクロ写真、ちゃんと撮るべきなんですよ。
最初にも書きましたが、カラーとモノクロの写真があったらモノクロの方がかっこいい。Tシャツだってモノクロの方がかっこいい。それはアートとして価値が高いことを意味しています。
だからもっとモノクロを極めるべき。カラー機をモノクロ変換するんじゃなくて、ドッシリと腰を据えて心も体もモノクロを撮るぞという気持ちで撮りたい。
いや、多分ですが世界の巨匠たちもとりあえずカラーで撮ったものを(あ、やっぱモノクロでいこ…)とかってケースもあったと思うんですよ、でもまあそこは気分なんで。
ぶっちゃけモノクロ機で撮影散歩に出ると撮影数はグッと減ります。モノクロのEVFでファインダーを覗くと世界は基本つまらなくて、必死になって美しいトーンが生まれる造形や場所を探しはじめます。
そう、自分に縛りを与えることで得られるさらなる能力。
クラピカの制約と誓約。
禪院甚爾(真希)の天与呪縛のフィジカルギフテッド。
超かっこいい。
冗談抜きにアラフィフにもなって本気で(禪院真希が覚醒したとこ最高にヤバかったな。モノクロしか撮れないカメラに100万払って得る縛り…ありだな…)とか思って買ったから。
後悔はしてません。
まじで楽しい。
あ、そうそう、普段バカでかいカメラとレンズを持ち歩いてるせいか小さなカメラがこんなに気軽なものだと久々に知りました。
おしゃれなカフェでこどもにレンズを向けても全然誰も気にしない。
気のせいか子どもの表情もいつもより柔らかい。
カメラとTPO、意外と大事ですね。
さて、新年早々の逸品コーナーです。
今年の逸品はこれ。
ノンアルコールスパークリングワインです!!
ハードコア下戸の管理人、カメラ以上にお酒への憧れというか思いは半端ないものがあり、いままで下戸が治るというサプリにはもれなく手を出し色々とあれこれやってきました。
どんなに美味しいと言われているシャンパンも僕からしたら華やかな香りのする消毒液です。
ウイスキーに至っては普通に消毒液。
このスパークリングワインはウェルチ以来の僕の想像する美味しいシャンパンの味がします。
ライカを持ったらシャンパンのひとつやふたつ飲んでないとバカにされます。
いっちゃいましょう。
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