FUJIフィルムシミュレーションとオールドレンズで撮る
Tokyographerのフィルターに続いてオールドレンズを楽しもうという企画です。
Fotodiox LM-FXRF-PRN、気付いたら手元にありました。記憶はいつも通りありません。
動きはNikon用のAF化アダプターよりも遙かに高速で静かです。(NIkon用の遅いんだよなあ…正確さに差はほぼないのですが)
正直、X-pro2のAF並みに動いてる気すらします。使える。
さて、ROKKORレンズ、同時代のレンズの中ではかなりお安くゲットできるオススメのレンズです。
緑に光るコーティングは鷹の目レンズと言われ、なかなかかっこいい。
でもコーティングは殆ど機能せず、屋外だと著しくコントラストが落ちます。時々神がかったハロが出るので見逃せません。
前回はTokyographerのOPF-550Lをかましましたが、今回はオールドレンズそのものがその機能を果たすのでフィルターは不要です。
ともに1970年ごろのレンズでボケがざわつくかと思いきや逆でなんとマッタリとリッチなボケをかましてきます。もちろん甘い。いまどきの解像度は皆無。でもそこがいい。
これは不思議で同時期のニコンの58/1.2もとても似たような写りをします。ザワついてくれてもいいんだけどな…
でも、なんと今復刻で発売されてるライカ Noctilux 50mm / f1.2ととても似た写りだと、作例を見て気付きました。クリーミーなボケだけど現代の透明感のあるスムースさとは違います。立体感もないので写りはノワール。
今っぽいデジタル感がほぼなくなり、絵になる写真を吐き出します。いや、ほんとに。
このデジタルの堅さをなくすのはフィルムシミュレーションでは無理ですからね。
ところでみんな好きですよね、ソー○・ラ○ター。
僕も大好きです。
氏の愛用したカメラとレンズはライカM3と90〜150mmのレンズと言われています。
僕の持ってるオールドロッコールは58mm / f1.2と85mm / f1.7になります。APS-Cで使うと、なんと87mmと127mmになります。完璧。
やっぱり、ソー○・ラ○ターってレジェンドなのでほんとに風とか調とか言うだけでもおこがましくて死にたくなるんです、そういうわけで最大限の敬意を込めてソー○・ラ○ターで通します。
赤い傘撮ってソー○・ラ○ター風とかいうのすごい失礼だからな。
ソー○・ラ○ターの写真、遠くから狙ってるんですよね。よく見ると圧縮効果が効いてます。そして氏のシャイな性格が垣間見えます。殆ど盗撮です。
設定は前回同様FOTONEスペシャルをベースに、
クラシックネガ
(やはりマストです。WBでブルーに寄せてもマゼンダが立つバランスは他社にはないです)
グレインエフェクト 弱→大
ホワイトバランス AUTO(R:-3 / B-1) ←OPFフィルターを使わないので調整
トーンカーブ (ハイライト : -1 / シャドウ : 0) ←ハイライトの飛びを抑えます。しっとりと
カラー 2
シャープネス -4 ←フィルムライクにとにかく緩く
高感度ノイズ低減 -2 ←あんまり関係ないので軽く
明瞭度 -5 ←オールドらしさを出すために最大限に緩く
いや、実際、街のスナップって35mmとか28mmって印象ないですか?
でもこの中望遠から望遠を使って街を撮るとソー○・ラ○ター調になれるかは置いといて苦手だったスナップがなんかいける気がする。
風景全体よりもポートレートのように街の人やオブジェ、窓越しの商品などターゲットを絞れるのが僕には向いてます。
もちろん家の中でも使えます。
二線ボケがでるようなこともないメロウなボケ。
普段50mmで撮るのと違った画角が生まれて、新鮮です。
FOTONEでは50mmを推してますが、中望遠も1本あるといいですよ。
さて、ソー○・ラ○ター調もいいんですが、いま巷で噂のSIGMA fp-Lのフィルムシミュレーション「パウダーブルー」いいですよね。
というかやっぱり青い写真って魅かれます。
というわけでおまけでオールドに似合うブルー調のシミュレーションも試したい。
抜けの悪いレンズだからこそ、その空気の澱にトーンが付けやすい。
設定は、
ETERNA
(パウダーなトーンにはこれが一番いいかも?)
グレインエフェクト OFF ←今回はノイズなしで透明感を出してみたい
ホワイトバランス AUTO(R: -6 / B: +1) ←ブルーにしたいとブルー上げてもマゼンダが残ります。むしろグリーンに振ります
トーンカーブ (ハイライト : 0 / シャドウ : 0) ←クセを減らします
カラー +2
シャープネス -4 ←フィルムライクにとにかく緩く
高感度ノイズ低減 -2 ←あんまり関係ないので軽く
明瞭度 -3 ←ちょっと緩く
肌の色が優しい。オールドのボケによく似合います。
遠景だと甘さが際立ちます。AFもちょっと合いづらいケースが出てきます。
でもまあいっか!
やっぱり、FUJIFILMのフィルムシミュレーションは他社に比べてはるかに有能です。
パソコン現像が面倒とか敷居が高いと思ってるなら、FUJIFILM以外の選択肢はあり得ません。
ただ、FUJIFILM製のレンズだけを使うのはなんだかFUJIのいいなりになってる気がしません?
カメラもレンズもフィルムシミュレーションもFUJIFILMの用意したもので仕上げました、ってオリジナリティがないような気がする、そう思ったら是非オールドレンズ使ってみてほしい。
安いですし、Instagramに溢れるFUJIユーザーとはちょっと違ったテイストが出せて、いい気分になれるはずです。
クラシックネガ以外のシミュレーションでも、ここまでカメラ内だけでフィルムテイストが出せるのは自分でも驚きました。
どうせならフルサイズ出してくれたらいいのに…
ちなみに両レンズを手に入れた経緯は、GFX番長のホーフスさんがROKKORレンズはFUJI中判フォーマットをカバーするよと記事(Minolta X Fujifilm – jonasrask | photography)にかいててそれはいい!と取りよせたのですが、実際はMamiya SEKORやCONTAX Planarを使ってばかりで出番もなく手に余していたので供養もかねて、今回の企画に至りました。
ちなみにGFXで使うと、85mmは本当にケラれることもなく完全に使えます。58mmはケラれます。GFXのレンズは高いのでまずはROKKOR 85mmを買って遊ぶのも手ですけど、それならMamiya SEKORを推します、普通にw
でもGFXで撮ったものも少しだけ。
いや、まあ普通にいいんですけどね。(ケラれはしませんが周辺減光は出ます、しっかり補正したい)
GFX 50Rに付けるとこんな感じ。
非常に軽量でコンパクトなコンビになります。
これは本当に不思議なんですけど、GFXで撮ると、立体感というか存在感が生まれるんです…
理由はわかりません。誰か教えて!!
なんでもないものが絵になる、GFXの力!
これは周辺減光をあえてそのままにしています。
意図的な絵作りでもない限りはしっかりと補正してくださいね。
GFXの写真は全てLightroomで現像しました。
やっぱりGFXで撮ると、カメラ内蔵シミュレーションには任せられん!という作家の意地が生まれます。
今回使ったROKKORレンズ、オークションで手に入れました。
とにかく外観がキレイで状態もいいと言うものを落札したのですが、曇りは盛大、絞りは動かないなど散々な目に遭いました。どうか安心の店舗で買ってくださいね。
曇りが酷いととにかくコントラストが落ちます。少々はいいのですが、落ちすぎるとさすがに絵になりません。安いからといって安易にポチらないように!!
Fotodiox (フォトディオックス) 電子マウントアダプター[レンズ側:ライカM ボディ側:フジフイルムX]
新品価格:¥43,208円 (税込)
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