FUJIFILM フィルムシミュレーションでFUJI 400HとKodak PORTRAを作る with Tokyographer OPF 550-L
いつまで経ってもFUJIFILMからFOTONEに仕事の依頼が来ないので、勝手に『 IRODORI by FOTONE 』、FUJIのフィルムシミュレーションを使って、FOTONEが全力でFUJI400HとPORTRAを再現します。
…なによ?!いいじゃないのよ!!
確かにFUJIのレビューは今まで一回しかやったことなかったけど。
実は管理人、何度かこのテーマに挑んだものの、返り討ちに遭っています。(納得いくところまでは全然いけませんでした…)
ですが、クラシックネガの登場と新兵器、話題のTokyographerのOPF 550-Lフィルターをゲットしまして、これと組み合わせることでかなり良い感じに迫れたなと、満を持してレビューさせてもらっちゃいます。
強く言っておきますが、「僕の想像するFUJI400HとPORTRA」ですから。
この世に正しいネガ現像などない…!
ただ、ひとつ条件として、肌色の表現でFUJI系とKODAK系は分けられると思っています。
FUJI系は肌色がピンク、KODAK系は黄色に寄っていて、それにつられてブルーがFUJIは鮮やかなブルーだったり紫寄り、KODAKは緑寄りだったり少しくすんでいるというか深いブルーといいますか。
この辺は抑えたい色というか絵作りかなと。
基本的にカラークロームエフェクトとカラークロームブルーは使用しません。
搭載されてない機種を使ってる方もいらっしゃると思いますし、なによりこれをONにすると撮ったあとのプレビュー表示が異常に遅い。使用は現実的じゃありません。というわけでOFFで。
しかもこれらを使ってなくても、プレビュー表示結構遅れますからね。。(グレインエフェクトも重いのかなあ…)
どうしても赤や黄色が飽和してるう〜ってなってる場合はあと現像でもいいのかも。
とにかく撮ってだしを提案してますが、基本RAWデータも抑えておきましょう。
そしてなんといっても用意するのは、もはや人気で入荷が一ヶ月待ちというTokyographer OPF 550-L。
この550−L、青めのフィルターですが、この程度の色はカメラのオートホワイトバランスでソコソコ打ち消されます。そして青くなるというわけではありません。やや緑になる感じ。
このやや緑になる感じは実際に古いROKKORレンズなどを使うとこういう色味が出るので見逃せません!(いい!)
まあでも色味があろうがなかろうが、アンバーめの650も色温度の調整でどうにでもなるので、どちらかだけでいいと思います。
それよりは同じく人気のKenko ブラックミストNo.5、あれと迷っている方がいたらちょっと注意です。ブラックミストは550-Lにとてもよく似ています。ただ夜景の照明や逆光などに過剰にほわっとして、そこをやり過ぎと感じるか楽しめるかで変わってくるので注意してくださいね。逆に室内だとブラックミストはあまり効果を感じません、そういうときは550-Lの方がコントラストの若干緩くなります。(この作用は晴天直下での撮影で重宝してます。顔に出る陰影が優しくなるので)
使い勝手では550-L推し。でも色がつかないのでブラックミストもいいところがあったりします。550-Lに比べると安くて適正な価格感ありますしね。まあ、どっちも売り切れで買えないんですけど!
本当は愛機GFXとMamiya SEKOR C 80/1.9でガツンとかましてやりたかったのですが、「そんなんよく見えるに決っとるやんけ!!」とかいう心の小さい方たちからクレームがきそうなので、みんな持ってるXF35/1.4Rと新しいX-S10で臨みます。
ちなみにこのX-S10、とても素晴らしい機種です。管理人はFUJIも色々と買ってきましたが、最高といっていいんじゃないですか?X-pro3ではかなりコスパについてディスりましたが、このプライスとこのサイズなら本当に誰にでもオススメします!文句なしにAPS-C界最強の組み合わせです。
AFもX-pro3より速いような…
なんと言っても液晶も裏返ってませんしね!最新の全てのフィルムシミュレーションが入ってて、細かいパラメーターも弄れます。
長くなりました…早速始めましょう。
パラメーターはこんな感じ。
色味をコントロールするのがWBシフトだけというのが情けないのですが、これしかありません。やむなし。
また、WBはAUTOです、OPP 550-Lに引っ張られない為にも基本AUTO設定で。
FUJI400H
PRO Neg. Std
グレインエフェクト 強→大 ←がっつりいきましょ!
ホワイトバランス AUTO(R: +1 / B: +3) ←やや紫っぽく
トーンカーブ (ハイライト : +3 / シャドウ : +2) ←OPF 550-Lでコントラストが弱まり過ぎないように
カラー +4 ←鮮やかめに
シャープネス -4 ←フィルムライクにとにかく緩く
高感度ノイズ低減 -2 ←あんまり関係ないので軽く
明瞭度 -5 ←緩く
※撮影時、露出補正を+2/3にするとよりFUJIらしい感じが出ます
作例です。
基本的に撮ってだしですが、パソコンにJPEGを移してから露出とWBのみ少し調整しています。あとは触っていません。(本当はもう少し弄れるともっと良くなるんですけど、あくまで撮ってだしで良い感じに出来るよ!って企画なので…)
こういったハイライトが滲むように飛ぶ感じはOPF 550-Lの効果と言えます。
フィルムっぽいというか写ルンですっぽいというか。
アナログ感がグッと出ます。
PRO Neg.Stdは元々400Hをイメージしてるはずなのでちょっと調整して今っぽいアナログ感を出すようにシャドウを締めつつ全体を相当緩くしました。(フィルムカメラを使ってる方はレンズも古いので、その空気感です)
FUJI400Hの持つニュートラルさと柔らかさ、それからややハイトーンなイメージがまあまあ出たと思います、そしてOPF 550-Lフィルターの効果で絞めたシャドウとコントラストが弱まり、ハイライトが良い感じに滲んでフィルムらしさが出ています。
とはいえ、あとで続くクラシックネガを元にしたモノに比べるともう一歩といわざるを得ません…
シャドウに青みが入ったらかなりいい感じになると思うんですけど、LIGHTROOMで弄る余力のある人は、[ カラーグレーディング→シャドウに青緑をちょちょっと入れてくれたらほんの少しの差なんですどいい感じになると思います! ]
でもまあこれはこれでいいかなと。やり過ぎないバージョンとしてひとつ見てやってくれれば。
それにしてもフィルター使うってなんか邪道感があるじゃないですか?これなら本当にアリです。OPF 550-Lのソフト効果の弱さが絶妙すぎる。特に晴天下ではFUJI機と組み合わせていなくてもずっと付けていたいくらいです。
堂々と使って欲しい。
それからXF35/1.4Rはいいレンズだと思います。カリカリでもなく適度なザワザワ感、最新のレンズとはちょっと開発方針が違う。叙情派レンズです。
続いてPORTRA
クラシックネガ
グレインエフェクト 弱→大
ホワイトバランス AUTO(R: 0 / B: -2) ←肌色が黄色になるように
トーンカーブ (ハイライト : 0 / シャドウ : -1) ←クセを減らします
カラー -2
シャープネス -4 ←フィルムライクにとにかく緩く
高感度ノイズ低減 -2 ←あんまり関係ないので軽く
明瞭度 -1 ←ちょっと緩く
クラシックネガが搭載されてない方は…すまん…
クラシックネガは本当に使えるので買い替えましょう!
とはいえ、クラシックネガはとてもクセが強く、このまま使うにはややわざとらしいのでニュートラルになるように調整しました。
PORTRAはPRESETR FOURでも伝えましたが、本家本来のヨーロッパチックのPORTRAをイメージしてます。濱田さんやヤマカメさんとはちょっと違うのでその辺はご理解ください。
作例です。
これはホントに冗談抜きにLIGHTROOMでは露出とWBのみでプリセットとかかけてませんからね。まじで撮ってだしです。
いや、すごいと思う、OPF 550-Lとクラシックネガの組み合わせ!
PORTRAの優しいシブさ、少しアンバーというか黄色っぽいというかヨーロッパの湿った感じがでてる…
陽射しの暖かや曇りの日の寂しさがグッと魅力的な絵作りになれるセッティングになりました。
ライカあたりが標準搭載してくれてもなんら不思議じゃない仕上がりにまとまったんじゃない?!
フィルターないと無理だけど…
最後にFOTONEスペシャル
基本的に僕はFUJI派ですが、トーンはPORTRAというか、そんなイメージで絵作りしています。
つまり、やや青っぽくでもしっとりと。
クラシックネガ
グレインエフェクト 弱→大
ホワイトバランス AUTO(R:-3 / B+3) ←青強めに
トーンカーブ (ハイライト : +0.5 / シャドウ : -1.5) ←クセを減らして
カラー +2 ←ちょっと鮮やかに
シャープネス -4 ←フィルムライクにとにかく緩く
高感度ノイズ低減 -2 ←あんまり関係ないので軽く
明瞭度 -3 ←緩く
※撮影後の現像時、好みで増感とカラークロームブルー
PORTRAをさらにニュートラルにしました。
FUJI400HとPORTRAのいいとこ取り、いつもそんなイメージで絵作りをしていますが、今回もそんなかんじで迫ってみました。
これをベースにWBの色味をシフトさせて皆さんの好みにしてくれればかなり使いやすい、いい感じのセッティングになったと思います。
ただ、クラシックネガをもっとニュートラルにするのはなかなか難しくて、青っぽくしてるのにマゼンダぽくなったり、黒を締めたつもりなのに緩くなったり…とはいえ、他のシミュレーションではどうしても到達できないアナログ感があり、気難しいシミュレーションですが、まああれこれやるのが楽しいとも言えますw
粒状感をなくして、すこし露出オーバー気味にすれば濱田さんやヤマカメさんの今っぽい感じにできるかな。
FUJIのカメラ、先ほどは褒めましたが、いつまで経っても液晶とEVFの精度は低い。
PCに移して見たら結構違ってたなんてことは相変わらずです。(EVFがよく見えるのとは違う話です)
なのでPCやスマホに移してから、フィルムの個性を消さない程度にWBと露出は整えた方がいいかなと思います。完全にFUJI機内で済ませれるほど甘くはないですからね!
いずれにしてもTokyographerのOPF 550-Lの効果は大きくて、FUJIのサイトでもフィルムシミュレーションの作例を色々と見せていますが、とにかくシャープというか輪郭が堅い、という印象を受けます。(もちろんそれがいいと言う方もいますし、最新のカメラが解像度甘々なのもどうなのよということも理解してます、そこは否定しません、ただ、フィルムシミュレーションと言いながらフィルムライクかというとちょっとというかまだまだじゃないのかと。)
もちろん、Lightroomを使ってしっかり現像すれば、フルサイズと変わらない感じで好きなように出来るんですが、撮ってだしではどうしても堅さが残るなあといつも思っていました。
今回OPF 550-Lフィルターをつかうことで、かなり高いレベルでアナログ感が出たんじゃないかなって思っています。
すぐには手に入らないかもしれませんが、ポチって気長に待ちましょう。
とりあえず、Tokyographerはないけど、このパラメーターにして撮りいこ♪って飛び出しても結構大したことないのでフィルター買えるまで大人しくしててください。
まじです、残念ですがw
また同様に、フィルターは持ってるけど、カメラはFUJI持ってないって人も、残念ですが諦めてください。クラシックネガというフィルムシミュレーションはとんでもない発明なんじゃないかと思ってます。これだけの為にFUJIのカメラを買う価値は、、、ある!!まじで。
でも気をつけてくださいね、比較的新しいボディじゃないとクラシックネガは搭載されてないので、買うときはちゃんと確認するように!
ここでTokyographerのアフィリエイト貼れたら最高なのに無理なのでいつものおさい銭コーナーです。
今回はこれ!!
スマホで現像のコラムでも紹介しましたが、スマホ用SDカードリーダーです。
Wi-Fiなんかで画像をスマホに移すのは超面倒くさい。これなら一発です。カメラバッグに常備しておいてくださいね。
関連記事です。ぜひどうぞ。