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トーンを作る( LIGHTROOM現像 with PRESETR FOUR )

一度、簡単にLIGHTROOMを使った現像について説明したのですが、ちゃんとやって欲しいというお声を何度か頂いたのと、前回紹介したPRESETRの作者Ari Hallamiさん(フィンランド)から「モイ!なんかよくわからんけど、日本からプリセットを買ってくれる人が沢山いて、調べたらお前のサイト経由だった。お礼に新しく作ったやつ送ってやるからよかったらまた紹介してね、モイモイ!」とありがたい連絡をいただきまして、(ついにFOTONEも世界に出たか…)と感慨に耽りつつ、この新しいプリセットと一緒にトーンの作り方をじっくりと説明しようと思います。

このAri Hallamiさんの作るプリセットはVSCOと同等かそれ以上に最高のプリセットだと思っていて、とくにフィルムの再現性ではVSCO以上だと思います。
現在VSCOのPC版は手に入れることは出来ず、他にも多くのプリセットがネット上で販売されていますが、そういうものをちょくちょく買ってはガッカリしてきた管理人としてはえこひいきなしにこのPRESETRをオススメします。ちなみにPRESETRでググってもいろんなのが出てきて収拾がつかないので直リンクからいってくださいね。(リンク/ Presetr Lightroom presets to speed up your image editing

Presetr four Lightroom presets to speed up your image editing

前回はTWOを紹介しました。
今回はAriさんから頂いたFOURを紹介と一緒に進めていきます。
軽く使ったところ、俄然新しいFOUR推しです!特にPORTRA好きな人なら絶対に気に入ります。
ここまでPORTRAらしさを再現したプリセットはないと思います。しゅごい…


と、その前に、プリセットを使う心構えです。
プリセット、普通に使ってください。一昔前にフィルムを買うように使えばいいんです。
大ざっぱにFUJI系、KODAK系それぞれ自分の好みがありますよね、当たり前です。
だからプリセットを使うのは大前提です。
さらにコントラストでポジフィルムかネガフィルムを選んだように、またプリセットの中でも自分の好みを選んで使い分ければいいです。
なにも悪いことでもずるいことでも人まねでもありません、堂々と使ってください。
プロでもアマチュアでも当たり前に使います。安心してください。
そして面倒くさがらずにこの現像作業に取り組みましょう。
いやまじで撮ってだしはダメですよ、ほんとに!
写真上手くなりたかったから撮ってだしを卒業しましょう。


では始めましょう!

・練習用の写真をチョイス(RAWデータ!!)
できれば直射日光でない自然光のポートレートがいいと思います。(夕暮れはダメ)

・まずは好きなフィルムを選ぶ
大きくはFuji-H400系かKODAK-PORTA系かですね。ざっというと青っぽいか黄色っぽいかです。

・次にコントラストの強弱でさらにそのフィルム系からプリセットを選びます
同じプリセット名でも何種もあります。これは室内屋外、時間帯、季節条件で再現性が変わることもあるので同じお気に入りのプリセットで何でもかんでもOKではないんです。

はい、ここまで来たら超大事なポイントです!!

”ホワイトバランスを整えます!”

これがまず中立でないとプリセットの正しい色味が分からないので。そうじゃないとPORTRA系が極端に茶色に見えて変!とかってことになってしまいます。
ホントは撮影時にグレーカードなんかを撮っておくといいのですが、まあここは簡単にスポイトツールを使って白い壁や服があればクリックしてポンと整えておけばOKです。
白いポイントがなければ自分の感覚でもっともニュートラルな色温度にパラメーターを調整しましょう。
(自動でもいいのですが、自動よりもよりニュートラルな全体の色味が朝でも夕方でもない真ん中になるようにしたほうがいいと思います)
この時点でRAWデータでないとWBの調整が微妙に納得できないケースが多々あります。
くれぐれもRAWデータを使ってくださいね。

はい、今回は自動でWBを整えました(大体でOK、あとでまた調整します)

Presetr Lightroom presets 使い方 ホワイトバランス WB プリセット

好きなプリセットを選びます。
管理人はFuji400H派なので400H Neutral Pushedをチョイス。
チョイスの理由は400H系で見ていってイメージにあったからです。
普通に400H Filmicを使うこともあります。ケースバイケースです。

Presetr Lightroom presets 400H Neutral Pushed 使い方 色温度 プリセッター

ここでも色味が偏りすぎたなと感じたらWBで少し調整してください。(フィルムの特徴をなくさない程度に)
少し色温度を下げました。

Presetr Lightroom presets 400H Neutral Pushed 使い方

はい、これでお終い。

…ではないんですよ!
いいんですよ、もちろんこれでいい感じなら。実際いい感じですしw
でもここからFOTONEエッセンスを少し教えたいなと思います。

FOTONEではとにかく中判フィルムライクな仕上がりを求めています、そのためにより中盤フィルムのイメージに近づくような加工を加えていきます。
いいですか、あくまでイメージですからw
僕の個人的な中判フィルムのイメージです!そこは本当に頼みますよ。

・かすみの除去をマイナスに少し
(単純にすこし明るくなるのですが、日光を感じさせるフワッと明るい感じに)
これがなんかアナログ感を生むんですよね。でもこれやり過ぎは厳禁です。

Presetr Lightroom presets 400H Neutral Pushed 使い方 かすみの除去

・シャープを0に
(これも柔らかくさせるためです、今どきのミラーレスの最新レンズだとカリカリを通り過ぎてガリガリに感じてそういう感じは徹底的に抑えたい)

Presetr Lightroom presets 400H Neutral Pushed 使い方 シャープ

とまあこんな感じで仕上げます。
いいんじゃないでしょうか。
皆さん、ついつい濱田さんヤマカメさんにつられてPORTRAを使っちゃうかもしれませんが、僕が学生の頃はPORTRAは死体色って言われてましたからね。
むしろFUJIの方が日本人は好きなはずです。
優しくてちょっと青、肌色もピンクに振られます。お子さん撮るならFUJI 400Hです。


次は、PORTRAプリセットを使ってテクニックを紹介します。

PORTRA160 Tonedをチョイス
普通のPORTRA160よりもずっとPORTRAらしい。
濱田さんやヤマカメさんのPORTRAは日本的な独特さがあるなと思っています。
PORTRAといえば、彩度低めのクールな感じ、シャドーが締まってヨーロッパの雰囲気がないと!

Presetr Lightroom presets PORTRA160 Toned 使い方 WB

WBをまた調整してブラウンになり過ぎないように。ちょっと青いPORTRAもかっこいいです。
とてもいいプリセットで、ものすごい完成度だと思います。
これだけでホントにいいと思うんですけど、ここからちょっとLIGHTROOM現像で必要ならやった方がいいテクニックを紹介します。

・肌色を整える
特にKODAK系は肌色が黄色、それから彩度が引くくなるのでこれを必要に応じて調整します。
色相のオレンジを下げます(肌色をピンクに)
彩度のレッドを上げます(唇の色を強く)
彩度のオレンジを上げます(肌色のピンクをすこし上げます)

Presetr Lightroom presets PORTRA160 Toned 使い方 肌色 ポートレート

肌色を司る色はレッドとオレンジです。レッドは唇、オレンジは肌の色と覚えてください。
特に女性や子供の写真の場合コダックのままだと不健康に見える場合があります。
そんなときに調整です、逆にそっちの方がアーティスティックにも感じることもあるので絶対に調整した方がいいという訳でもないです。
正直このHSLというパラメーターは肌色の部分以外はプリセットに任せて触らない方が無難です。

・シャドーに色を加える
これはまさに僕の重要な絵作りのテクニックです。実はあまり教えたくないくらいですが、普通に機能としてあるのでケチってもしょうがないですよね。
カラーグレーティングのシャドウをちょっちょっと青緑系に振ります。これによって影の部分に色味が入るんです。
そうすることで色味が豊かな絵画的な写真になると思ってて、僕のよくやるテクニックのひとつです。でもやらなくてもいいときもあるので、それもケースバイケースです。
ただ、青っぽくしたいからと言ってWBでガっと全振りは芸がない、写真を青っぽくしたいならこういうパラメーターを弄って全体のトーンを作った方がグッといい感じです。

Presetr Lightroom presets PORTRA160 Toned 使い方 シャドー

見比べてみましょう。

そうです、H400と肌色を調整してシャドーに青を入れたPORTRAがほとんど同じになりました。
自分の絵作りが固まっているとどんな道具を使ってもちゃんとできるという話です。
まじです、決して(あれ?こんなはずじゃ…)ってわけじゃないです。
皆さんも僕くらいにイメージの絵作りとLIGHTROOMの操作が一体になるように使い倒してくださいね。


さて、このPRESETR、FUJI系とKODAK系以外にもモノクロのプリセットがメチャクチャにイケてます。
これも最後にサラッと。

B&W Ilfordをチョイス

Presetr Lightroom presets B&W Ilford 使い方 モノクロ ポートレート

肌が飛んでいるので露出を整えます。
ただ露出を下げるだけでなく、少し霞の除去を下げてからだとまた雰囲気が良くなります。

Presetr Lightroom presets B&W Ilford 使い方 モノクロ ポートレート 露出

と、モノクロならこれでOKなのですが、もう一手間加えたい。
ここでもカラーグレーティング(全体)で好みの色にすこしだけ振ります。
僕はとにかくピーター・リンドバーグが好きなので彼の写真集の印刷の色になるように振ったりします。
少し青、紫っぽい黒インクのイメージです。

Presetr Lightroom presets B&W Ilford 使い方 モノクロ ポートレート カラーグレーティング

ああそうそう、カラーもモノクロも粒子をお好みで加えてください。
一番最初の00 Film Grainというやつです。
どんなプリセットを選んでも最後に被せれます。
こればっかりは好みです。やり過ぎも時にはいいし、ほんの少しの粒子で空気に淀のようなものが生まれてぐっと豊かさが増します。粒子のパラメーターで調整してください。
まさにフィルムライクの最後の仕上げです。


とにかくこの新しいPRESETRがあれば、他はいらん、なんならフィルムもいらん、レベルで仕上がってます。
正直、プリセットはスマホの中だけでどこでどうやって買うのかも分からない人もいるんじゃないかと思うのですが、変なの買わないでこれ一発でOKです。
またこんなリアルフィルムシミュレーションじゃなくてもっとハイトーンの可愛いのがいいとかもっとダークでアーバンなものがいいという方もいると思いますが、まずはこれが型です。
この基本操作を抑えてから、ハイトーンならWBを青に振ってかすみの除去をもっと下げる、アーバンなら彩度を下げてかすみの除去を少し下げて露出をぐっと下げる、そしてHSLカラーで赤や青だけをいじる、などやるといいと思います。
管理人も最初にVSCOに出会ってから数年はVSCOに遊ばれてた感あります。あれの方がいいかも、これの方がいいかもって。
とにかく使い込んで自分のイメージの絵作りをしっかり固める、そこまで使い込んでくださいね。
それからデータは必ずRAWで撮影
そしてできる限りRAWのまま保管。絶対にあとでやり直したくなりますからw
いまどきHDDの価格なんて高が知れてます。
惜しみなくRAWで撮影、保管をおすすめします!


これで大体の現像テクニックを伝えれたかなと思います。
ホントは有料にしたいなと思ったんですが、それもせっこい話だし、そもそもそんなにフォロワーいないしと思ったので、ちょっとためになったなと思ったら恒例の逸品コーナー、ポチっていってください。

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