Mamiya 645 SEKOR C 80mm / f1.9 with KIPON Focal Reducer Adapter
FOTONE、冬号です。
夏からあれこれ買い物はしてたのですが、子供らと出かける時間もあまり取れず記事をアップするのに時間がかかってしまいました。
夏から主にぽちぽち買っていたのは他でもない、中判フィルムレンズとアダプターです。Mamiya 645のものとPentax 67のものですね。
きっかけはタイトルにあるKIPONのフォーカルレデューサーアダプターの登場です。このアダプター、中判レンズをフルサイズで使用すると画角がｘ0.7倍になり、80mmのレンズがフルサイズで56mmで使えるという夢のようなアダプターです。登場自体は数年前だったのですが、そんな旨い話があるものかと信用できず傍観してました。
が、ふとYouTubeに上がっていたものを見て（これはありじゃないのか…？！）と意を決してポチ！！
まずはMamiya 645→Nikon Zのアダプターをポチりました。このMamiyaの80mmはGFXにつけたもので一度レビューをしていてかなりお気に入りのレンズです。ランキングではPlanar 80/2より下位に置いてもう使ってないなどと書いたりもしましたが、最近好みが変わってむしろPlanar使ってませんｗ（Planarちょっとクリアーすぎるんだよなあ…）
このKIPONのアダプター、GFX用もあって画角も少し広くとれるしアダプターでの縮小も抑えられているために（0.8倍）レンズのパフォーマンスはGFX用の方が確実に上だと思うのですがあえてNikon Z用をポチりました。
理由は少しでも小さいボディで手軽に使いたかったのと、MF撮影時、激薄のピント面をしっかり捉えるためにEVFが優秀なNokon Z機用を選びました。
あと個人的にはすっかりNikon Z9に慣れてしまってZ9のブラックアウトフリーを失いたくなかったから。ブラックアウトフリーは慣れると他機種使った時のストレスが想像以上に大きい。GFXのクソ遅プレビューなどもう耐えられない。
ただ、そういうこだわりがないならGFX用（x0.8）をお薦めします。画角も80mmｘ0.8ｘ0.8＝51mmとより使いやすく、そして多分画質は上がります。
さて、僕も本当に気になっていたこのアダプター、ほんまにちゃんと撮れるんかいな？！ですが、みてください。
撮れます！！
いやほんとに買って1枚目撮るまでわりとドキドキしましたｗ
間違いなく中判の写り、線の太い強い絵。もしかして線が細くなったりしたらどうしようと心配してたのですがその点は杞憂に終わりました。（ほんとよかった）
ただ、弱点もあります。結構。
大きなところでは開放でフワッとします、レンズの特性にもよるのですが開放が甘いレンズの方がより大きくフワッとします。というわけでこのMamiya SEKOR 80/1.9は屋外開放は非常に厳しいレンズになります…
そういう甘さから来てるのですが、前のGFXにつけた時の写真に比べてずっとシャープさがありません。より線が太い感じが増しています。（個人的にはむしろ好感度UP）
これは人によってかなり好き嫌いの出るところなので注意してくださいね。もっとスッキリしてるのが好きだとか物撮りの仕事で使うとか言った場合はこのアダプターは使ってはいけません。
（屋外の写真はほぼ1段絞ってると思ってください。屋内は開放です）
それから樽型の歪みも半端ないです、かなりエグいので現像ソフトでしっかり直しましょう、あと端部の減光と渦巻きもなかなかｗ
まあでも僕はNikkor 50/1.4Gで周辺の歪みや解像度の劣化にはすっかり慣れてるので全然気にせず使っていきます。
基本的に3:4でトリミングするのであまりにひどい部分は使っていません。さすがに。
あとこのアダプター、レンズが内蔵されてることもあって重い。
プロでもなければこの重さとルックスは容認できないかもしれませんが、この世に軽くて小さくてかっこよくてよく写るカメラなどない。
ちなみに屋外開放だとこんな感じでフワッというよりブワッとしちゃいます。
さすがにこれはしんどい。
画面端上下の画質の劣化はかなりあってぼやけてるの見てわかると思います。はっきりいうとかなり杜撰なアダプターだと思いますｗ
でも屋内だと開放でどんどん使ってください。このレンズはちょっと独特でシネマチックに滲みが出て幻想的な写りを見せてくれるのでお気に入りです。
ともかくフルサイズで中判の画角そのままに撮れる夢のようなアダプター、残りも見てやってください！
杜撰なアダプターだとdisったりもしましたが写りは文句なしの好みの描写です。
Planar 80/2よりもしっとりとそしてボケは暴れるこのレンズ、1段絞れば画面端部の画質の劣化もあまり気にならないような。
このしっとりした感じ、これはなんとなくとかでなくはっきりとあるこのレンズの特性です。
霧のようなというより濡れてる感じがでます。まあ要は滲みなんですが。
現像で処理しないとこれくらいの減光があると思ってください。
これはこれでアリだなとこの写真は残していますが、他は全て修正しています。
雲を撮った時に感じる奥行き感というか雲の存在感って露骨にレンズの能力に出るなと思っています。
このアダプターをポチるまでしばらくフルサイズで撮る期間が長く中判レンズの凄みを忘れていて、この写真を撮って自分でもハッとさせられました。
あ、なんかやっぱり中判レンズいいな、写真すごくよくなったなと。
気のせいかと思ったけど僕のTwitterを見て同じレンズを買ってくれた人の写真を見て（やべえな、いい写真撮るな…）と思ったくらいなので気のせいじゃないはずです。このレンズは写真を見ただけで（あ、これMamiyaじゃないかな？）と気づくくらい個性があるのでハマる人にはすごくハマります。僕にとっても自分らしさみたいなものを感じるきっかけになったレンズのひとつです。
GFX直付けの時と同じで雑誌や写真集を飾る凄みがあります。
これがGFXではなく使い慣れたフルサイズカメラと画角で使用できる喜びをわかって欲しい。
何気ない街のスナップも（あ、なんかいいな）と思って撮ったものがフルサイズ以下だと家に帰って見てみたら（…なんでこんなの撮ったんだろ？）となることも少なくないですが、さすがにこのレンズだと撮った時の感動をちゃんと写してくれます。
これが中判の力だと思っていて、中判の力ってなんだというと要はボケ味なのかなーと思っていて、オルタナのエレキギターのフレーズが流れただけで音に持っていかれるように人はある種のボケになぜか惹きつけられるんじゃないかと。インスタで流れる画像を見ていて指を止めるドキッとする写真って中判フィルムの写真が多くありませんか？
理由は分かりません、なぜか人はボケに惹きつけられる。
そしてそのボケは大きくゆったりとして、エレキギターのようにやや歪んだボケの方が効果を増すような気がします。
あくまで個人的な感想ですが、エレキギターの音と同じように心が持っていかれる写真ってあるなと思っていて、今回このアダプターを使って、より太くて歪んだ絵が撮れて僕的には大満足です。
ちなみにこのアダプターとレンズで撮ったウェディングの写真も見てください。
ウェディングフォト、過去最高の出来になったと自負しています。
開放で撮れない不満がないこともないけれど1段絞るという縛りがあったせいで普段より知的な描写になったのは僕にとってもちょっとした気づきになりました。
まあ途中からMF疲れてNikkor 58/1.4Gばっかり使ってたんですが…
ただまあちょっとだけモヤついてはいます。
上に書いた通り1段絞っちゃうとボケ量自体はNikkor58/1.4GやNOKTON50/1.1とあんまり変わらなくない？？というか弱くない？…
しっとりした描写は気に入ってるものの、このモヤモヤが次のポチに繋がるんですが、次のレビューは満を辞して王者登場。
PENTAX67 105mm / f2.4です。
乞うご期待。
というわけで今回は最後に紹介したウェディングの紹介させてくださいね。
この写真の美しい花嫁さんでもある、ウェディングプランナー舘さんが運営しているTOBEIGE。
僕がコロナに喘いで本業が危うくなって写真で食ってくかと始めたウェディングフォトの仕事ですが、業界初の僕に依頼などあるわけもなくあてもなく彷徨っていた頃に手を差し伸べてくれた心の優しいお方です。
センスも良くしかも美しい舘さん、撮影もメイクも最高のスタッフで結婚式をプロデュースします。
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