Nikkor Z 50mm / f1.2S – Vol.2
謝罪文コラムにも書いたんですが、PENTAX 67の105mm/f2.4、ほんとに気に入ってて仕事でも使うようになったんですが、ちょっとビビって軽く絞っただけでわりと普通になってしまう。死んでも開放で撮りたいけどMFはしんどい。
そんなときある思いが頭を掠めました。
PENTAX 105mmの写りは105mmだけあって645の80mmクラスと違ってザワザワ感も少なくすごく端正だ、ということはなんかシャープすぎるなと一度手放してしまったNIKONの至宝 Z50/1.2Sの写りってすごく近いんじゃなかろうか…
ふと空を見るとtwitterで知り合ったニコンのレンズエンジニアさんの顔が菩薩のように浮かんで見えました。
そこから記憶がありません。いつものように気づいたら手元にありました。
相変わらずデカくて重い。
誰がどう見ても望遠レンズです。
というわけで撮り比べ。
せっかくなので同じくニコンの神器、Nikkor 58/1.4Gも加えていきます。
同じ距離から撮って、ニコンのレンズは同じ画角になるようにトリミングしました。ニコンのレンズは画角を合わせるために結構トリミングしてます。
それから105mmをGFXとフォーカルレデューサーアダプターを付けて撮ったものとも比べましょう。
ニコンZ用と違って渦巻きもなく、画面端の画質の劣化もほぼ見られません。トリミングを見てもわかるようにNikkor 58/1.4Gの長辺を切った感じで使えてほぼ普段使いできます。素晴らしい!!
謝罪文にも書いた通り、ボケ量に関しては本当にほぼ差はないです、でもまあやっぱり違いはあって、特に背景の木漏れ日の玉ボケを見てほしい、58mmは玉ボケ部分に少しぐるぐるが見えて玉も潰れてきてます、105mmも渦巻いてますがこれはアダプターのせい(GFXと専用のアダプターで撮ればこうはならないのでご安心を)案外105mmが一番ザワザワしてますw ですがフィルム時代のレンズなだけあって無加工で柔らかさも絶妙で見事な描写。
(やっぱ適度なざわざわも大事なのかな。。もうほんとわからん)
とはいえ、58mmも全く文句ない描写、そしてこのZ50/1.2Sはこの両レンズを超えてきます。画面端まで全く破綻なく、地面のざわざわ感が消え、他も驚くほど自然にボケていきます。
いいすか、85mmでもこんな描写見たことないですよ!!本当にすごい偉業です。
見た目通り中は望遠レンズが入ってるんじゃないかな。で先っちょにワイコンレンズくっつけてるんだと思う。
ともあれフルサイズ50mmでこのボケ量とボケの質は奇跡と言っても差し支えないレベルで、FUJIのフィルムシミュレーションと並んでそのうちノーベル賞もらうんじゃないでしょうか。
というわけで作例見てください。
前回のレビューの時には僕の現像スキルが未熟でまだまだ最新高性能ミラーレスレンズ感が残ってしまってましたが、今回は僕の撮影・現像スキルの全てを注ぎ込んでアナログ風に見えるよう仕上げています。
まずはポートレートではなく、街スナップです。
濱田英明さんのDISTANT DRUMS、みなさんご存知ですよね。あの写真集はほぼ105mmで撮られたそうです。本当にいい写真集ですよね。
ハイキーな感じと大切な人を撮るように街を撮る、それまでの街撮りの概念に風穴を開けたと思っていて、あの感じ出せたら最高ですよね。
どうでしょうか。
いい感じの色の服を着た人物が入ればかなりいい線いってると思います。。
(でもまだちょっと端正すぎるか…58/1.4Gの方がバケペンライクは楽かなと思う)
特にハイキーにした時、色ノリのあっさりしたレンズだと色が薄くなってPORTRAっぽさの再現が難しいことがあるんですが、このレンズの場合、ハイキーにしても十分耐えれる素質がある。
これはスキントーンにも大きな影響があって、このレンズで撮ったものが一番仕上げやすい。
ただ、写りはめちゃくちゃに端正なのでフィルムライクかというとちょっと違う、でもPORTRAっぽく見える、不思議な写真になってきます。
あと特筆すべきは、この強い日差しの下でも開放でほぼフリンジが出ない。
まじヤバい。
続いて、必殺のポートレートもみてください。
木々や草むらの背景になるとレンズの差がはっきりと出てきたように、その他のレンズで撮ったものと性質が変わってきます。
実際ニコンの開発者さんもローライぽさをイメージしたとか言われてて、すごく納得がいきました。
ハリウッドのブロマイド調というか、やたらドラマチックな感じを出してきて他の50mmとははっきりと違う描写を生み出してきます。
この描写はウェディングにもバッチリ合って、やたらカッコいい絵を叩き出します。
ウェディング撮影お待ちしてます♡
驚くほど自然にボケるはずなのに草木のような背景だといままで見たことない描写で独特の表現も生んできます。
これなんて別にフォトショでぼかしを弄ってるわけでもなく、アーティスティックな写りになりました。草むらの表現だけでなく、肩にピントがあって僅かに後ろの顔に奥行き感が生まれるボケ力も見逃せない。
巨匠が大判フィルムを使って写すような描写がフルサイズでできる。
新しい描写とでもいうか、リアルを超えたドキッとする絵が撮れるし、撮っててワクワクする。
実際フィルムっぽいレトロ感はないんですよね。
で、やたら想像を超えたヤバい写りを叩き出すので、ちょっとエモくなりすぎることも起こってきます。。
いや、ほんと、無駄にエモい。。
普通に歩いてただけなんでそこまで求めてないんだけどな…
そうそう、前回のレビューよりもグッとデジタル臭を抑えられてると思うんですが、、今回全ての写真にソフトフィルターを装着してます。使用したのは二つで、まずひとつは以前紹介したもこともあるKENKO DUTOフィルター、絶妙にハイライトが滲んでかつ芯も残る、昔からある安いフィルターですが気に入ってます。
(被写体と距離が空いてもソフト効果が強まりすぎないのがいいんだけど逆光や夜は光源に虹色の光輪がでるので注意)
それから1/8ブラックミスト。光輪が出るDUTOに若干キレて今はほぼこいつです。
ともかくソフトフィルターなしだとこのレンズをアナログ風にするのは無理。他の最新ミラーレスレンズ同様、被写体がパネルのようにクワッと浮いて見えてどうにもなりません。
ちなみにDUTOフィルターは径77mmまでしか製造してなくて、あろうことかこのZ50/1.2Sは82mmもあって(信じられます?50mmレンズですよ?!)、Twitterで愚痴ったらまたニコンのエンジニアさんが「ステップダウンリング使ってもケラれないですぜ、ゲヘヘ」と教えてくれました。
まるで僕のブレーンみたいだな、おれもここまで来たかと天を仰ぎましたね。
それでは残りも!
端正過ぎるところもあるのでプリセットは強めのKodak GOLD調も合うと思っています。
本当に色ノリのいいレンズなので肌のハイトーンに色が乗せれる。
これはフィルムライクにするための最大のアドバンテージと言ってよくて、写真に命を吹き込める。
このブログでは最新レンズを褒めることは少ないのですが、このレンズだけは別です。
すんごいです。
体力に自信のある人は是非一度試してみてくださいね。
GFXやハッセルのXの方が顕著なんですが、最新ミラーレスの中判の大口径レンズは立体感というより、被写体がパネルになってクワっと浮き出るようなちょっと思ってたのと違う立体感があって、正直GF80/1.7は前に少し貸してもらって撮ったデータをいじったんですが、Z50/1.2Sよりもシャープでデジタル臭を消すのは難しかったです。Z50/1.2Sもその傾向があって前回のレビューではそういう印象が伝わると思う。そういう意味で、今の技術ならフルサイズがちょうどいいと言うか限界と言えるのかもしれない。
今回改めて撮り直してZ50/1.2Sではどうやってもフィルムライクの表現は無理などと言って本当にすみませんでした!
謹んでお詫び申し上げます、僕のスキル不足でした。。
というわけで表ランキングは一位に更新。
まあでもフィルムライクって感じでもないので裏ランキングには入れないでおきます。
でもものすごい写真が撮れる最強のレンズです。
あと、ニコンエンジニアさんはゲヘヘなんて言いません。
さて今回の逸品コーナーは茅乃舎の野菜だしです。
茅乃舎はスタンダードなあごだしが有名ですが、むしろ使えるのはこっちです。
あごだしならちょっと安めの他社製品で代替できる。
この野菜だし、そのままお湯で出すとコンソメ風味のだしになるんですが、はっきり言ってこいつは和食でも洋食でも何に入れても美味しい。
旨味とコクが確実に増します。単にニンニクのせいかもしれないけど。
例えばどんな鍋でも豚汁でもうどんでも蕎麦でも、インスタントの袋のラーメンでも追加すると家では出せないお店の味っぽさが出てくる!
アフィリエイトでレンズ買ってくれとは言わない!でも騙されたと思って、あごだしx2、野菜だしx1(ともに減塩じゃない)を使ってスープにして(塩も醤油も入れない)でスーパーで生麺を買ってラーメンを作って欲しい。
すんごいから!!
茅乃舎だし普段使いしてるっていう人はこちら。
袋のインスタントとは思えないクオリティで自宅で家系ラーメンが楽しめます。
もちろん、これにも野菜だしを入れるべし!!
こちらの記事もぜひ。