LEICA M monochrom with Distagon 35mm / f1.4 zm
ライカにはモノクロでしか撮れないというちょっと狂気じみたカメラがあって、当時も頭がいかれていた僕は一ヶ月ほど悩んでポチったと記憶しています。
monochromは2機種あって、先に出たCCD機と後で出たtyp240ベースの2台。
このレビューは先に出たCCD機の方です。いつも先に買っちゃうんです…
モノクローム機に関してはCCDのメリットはあまりないんじゃないでしょうか。後発の方が画素が多い、ライブビューが出来る、高ISOに強い、ムービーも撮れるのでまだ価格も高いですがメリットも大きいと思います。
いずれにしても両機ともにカラー機では到達できない凄まじい解像度に度肝を抜かされます。
だってライカM型、しかもライブビューもないのになんの為にこんな解像度が必要なんでしょうか。正気を疑います。
しかも当然手ブレ防止がないので、撮影はシビア。なんども悔しい思いをしました…
でも好き。
モノクロだからブレてもアウトフォーカスでも全部味になるしー
コラム「モノクロで撮る」にあるようにカラー写真を変換すりゃあいいじゃんというのももっともなのですが、これがホントに縛りを得ることでやたら楽しくてなんだかもう子どものように浮かれてしまいます。
また、撮れた絵をモニターでそのまま友人に見せると「お〜〜!おしゃれ!」と言ってくれる率も高くて嬉しくて仕方がない、一瞬ですが値段を忘れさせてくれます。
ふぅ…
でもこんな話どうせ誰も信じてくれないですよね。
わかります、どうかしてます。
でもホントに楽しいんです、モノクロ撮影。
恐ろしい解像度、画素数以上の精細さを見せつけられます。
高ISOのノイズも普通のカラー機よりも2〜3段は抑えられている印象。そもそもモノクロならノイズも味になります。
モノクロ写真と言えばハイコントラストでドラマチックに、と思うかもしれませんがローコントラストで表現する豊かで繊細なグラデーションもいいものです。
モノクロで撮る光は何とも言えず情感があります。いい光が射してたり漏れているようなところを探してしまう。
普段ならこんな写真絶対に撮りませんw
でも撮ってみたくなる、いつもとは全然違うカメラだから。
遠くの雲にもやたら立体感が生まれていること、撮った後で気付きました。圧倒的な精細さと豊かなグラデーションが生むリアリティ。
今回のレビューは全て、Distagon 35mm / f1.4 zmで撮っています。
なんで50mmじゃないんだ?まずはそう思いますよね。
当時はライカにハマった時期で、ライカといえば35mmだろ的な伝説にやられてましたw
だけどSummilux 35 / 1.4 ASPH.なんて買えません。そこでDistagon!それでもけっして安くはない。
コシナZeiss製、性能は申し分ないです。優等生レンズ。が、非球面レンズが仇になったのかとにかくホントにf1.4?と言いたくなるほどボケないw
買った当初は失敗したなあとわりとウジウジしてました。しかもボケはちょっと渦巻くし…
でもこうして見ると、monochrome機の精細さについてこれたのはこのレンズだったからと言えます。それは間違いなく。
そもそも、Summicron 35mmだってこの値段では買えませんしね…
とにかくクセのない優等生です。Mマウントレンズにしてはフリンジも周辺減光もまあまあ抑えられています。ちょいでかいのが玉に瑕。ライカだもん小さい方がボディとよく似合います。
ただ、正直35mmならf2のBlogonでもいいかもと、ちいさな声で言っておきます。LEICA Mボディによく似合います。
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